バロックの泉
ラ・フォンテーヌ(古楽アンサンブル)
税込\2,940 EBM-199001
(発売元 アントレ編集部)
オトテール:2本のオーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ハ長調 作品3-2より 第1楽章冒頭
MP3/516KB
ヴィヴァルディ:リコーダー、オーボエと通奏低音のための協奏曲 ト短調 より 第1楽章冒頭
MP3/728KB
オトテール:2本のオーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタハ長調op.3-2
テレマン:「音楽の練習帖」よりリコーダー、オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ハ短調
プラ:2本のオーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ 変ホ長調 第6番(世界初録音)
ヴィヴァルディ:リコーダー、オーボエと通奏低音のための協奏曲 ト短調 RV.103
テレマン:リコーダー、オーボエと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ヘ長調
テレマン:2本のオーボエ、チェロと通奏低音のための四重奏曲 ト短調
ラヴィーニュ:ソナタ ハ長調op.2-1「La Baussan」より「タンブーラン」
ラ・フォンテーヌ (古楽アンサンブル)
1999年3月/ 田園ホール・エローラ(埼玉県)
デビュー・アルバムということだけあって、彼らの意気込みがどこを切り取ってみてもあふれ出すような勢いあるディスク。といっても我武者羅な演奏というわけではなく、きちんとした技術と音楽性、学識に裏づけされた由緒正しくも瑞々しい演奏。「遠い時代の音楽をいきいきと現代に蘇らせる」という彼らのモットーをそのまま表わしたかのようなアルバムである。
それにしても、このアンサンブルのテンポ感とリズム感の心地よいこと! ちょっとした速度のニュアンスや節まわしにもそれぞれがぴったりついてくる。それに、どんなに速度を変化させても音楽が停滞することなく、ゆっくりめのテンポでもダンサンブルな小気味よさを維持している。実はこれ、そう簡単にできることではないのだ。
これを可能にしているのは何といっても通奏低音組(チェロ&チェンバロ)の的確なリードであり、コンチェルタンテ楽器組(オーボエまたはリコーダー)がイマジネーションと名人芸を自由に羽ばたかせることができるのは、この支えあってこそだ。通奏低音の見事な采配にうならされたかと思えば、コンチェルタンテの歌心と技術の高さに惚れ惚れさせられてしまう、そんなアルバムである。
彼らが世界に先駆けて収録したプラの作品は、独特の味があって大変魅力的な作品。特に中間楽章の美しさは心に染入るようだ。また最後に収められている「タンブーラン」では江崎氏がバロック・ファゴットに持ち替えを行っている。
全体は18世紀ソナタの手堅いプログラムでまとめられながら、演奏姿勢にはグループとしての独自性と自発性がはっきりと打ち出されている。既に4枚目を数えるアルバムがリリースされた今にして思えば、彼らの以後のユニークな活動の布石として全くふさわしいデビュー作品であったといえよう。